fuchi's diary

都内在住のゲイの感じたこと、考えたこと

どこまで知って言ってるの?

僕はいわゆる「料理マンガ」を読むのが好きだ。

 

今も少年ジャンプを『ジャンプ+』のアプリで毎週読んでいて、『食戟のソーマ』の連載を追いかけている(でも、ジャンプの中ではワンピースやハンターハンターの方がもっと目当てかな)。

それ以外にも、モーニングで連載している『神の雫』(料理というよりワインの話だけど)を読んだり、僕が生まれた頃に連載していたものだからかなり古いマンガだけど、『ミスター味っ子』は文庫版を全巻揃える位にお気に入りのマンガだ。

 

そして、ゲイが関係する料理マンガと言えば、よしながふみさんの『きのう何食べた?』が有名だけど、この間、『きのう何食べた?』を1巻から最新刊までドサッと渡されて、面白い料理のマンガがあるから読んでみたらと、母親に勧められた。

 

僕の母親は元々かなりのマンガ好きで、加えて相当リベラルな家族観を持っているのだけど、それでも、まさか、『きのう何食べた?』を息子に推してくるなんて。(BLマンガだと分かって勧めているけど、母親は腐女子ではない。『モーニング』に掲載されているマンガを色々と読んでいて、BLとしてでなく、料理マンガとして気に入ったらしい。)

 

息子に『きのう何食べた?』を読むよう勧める母親というのは、相当珍しいんじゃないだろうか。しかも、その息子がゲイっていうのは、どういう状況なんだ。ベタなBL小説じゃあるまいし。

 

僕からは、母親に自分がゲイであることもBLを読むことも伝えていないから、母親が何をどこまで知っているかは分からない。子どもの頃からゲイのHPやBLを検索しまくっていたことを思えば、何かしらのことを知っている可能性は多いにある。しかも、勧めてきたタイミングが、僕が自分をゲイであると受け入れた時期とほぼ重なっているのも偶然にしてはできすぎている。

 

母親の認識を推察するに、可能性はおおざっぱに分けると3つある。

① 僕がゲイであることやBL趣味には一切気付いてない。

② 僕がBLを読むことは気づいているが、ゲイであるとは気付いていない。

③ 僕がゲイであることに(薄々なのか確信なのかは分からないけど)気付いている。

 

③の場合は、僕にカミングアウトを促してる可能性もある。だけど、マンガを返す時に面白かったよ、と伝えたらそれで話題は終わって、僕の反応を気にしている素振りはなかった。僕がゲイである可能性に気付きつつも、こちらが言わないならそれ以上は踏み込まない、ということなのかもしれない。

このやり取りの前後で、母親との関係性に変わったところはないように思う。母親は何も知らず、単なるできすぎた偶然という可能性も残っている。どちらにせよ、今のところ、ゲイであることを母親にカミングアウトするつもりはないから、母親が何をどこまで知っているかを考えるのは一旦保留にすることにした。

 

しかし、創作BLとはいえ、結構リアルな(と思われる)ゲイカップルの暮らしが描かれているマンガを読んで嫌悪せず、むしろ息子に勧める位にそれを楽しんでいる母親っていうのは、きっと、とても貴重でありがたいことなんだろうな。家族との関係で苦慮しているゲイブログを読むと、贅沢な悩みのようにも思えてくる。これはこれで、ものすご~~く焦ったけどね。