fuchi's diary

都内在住のゲイの感じたこと、考えたこと

自己開示のしやすさ

人生の転機は突然訪れる、なんてことを去年の11月に書いたけれど、年があけてまたまた転機が訪れた。

何が起きたのかというと、彼氏ができました。

付き合い始めてからは毎日が新しいことの連続で、急に別の世界を生きるようになったくらいに感じているのだけど、彼にブログを書いていることを説明できたので、今しか感じることのできないものを少しずつ、文章にしていきたいと思う。

 

恋人を探している最中にはわからなかったけど、今ならわかるようになったことの一つは、「この人と付き合いたい」と考えるうえで僕が何を重視していたか、ということだ。

ついこの間まで、恋人を探して色々な人に会っているのに「この人と一緒に過ごしたい」という気持ちが中々芽生えないことに悩んでいたのだけど、僕にとって大切なのは「自己開示のしやすさ」だったらしい。

初めて会う人に、自分の内面のことをどれくらいの深さで話すかはとても難しい。当たり障りのない話をするだけだと、その人と付き合っていけるのか判断することができないし、かといっていきなり価値観の根っこの部分を語りすぎても、話を聞く側がついていけない。それに、あまり個人情報を話しすぎるのも怖い。

今お付き合いしている彼とは、初めて会ったその日から、セクシャリティとの向き合い方とか仕事の価値観とか、他の人と会っても初対面では中々できない話を自然とすることができた。短時間しか話をすることはできなかったけど、彼の言葉には僕の言葉と共通するところがいくつもあって、彼と話をしていると、これまでブログに書いてきた文章のことを何度も思い出した。

僕がゲイとしての一歩を踏み出したのはこのブログだった。ゲイとして生きていこうと決心したものの、何をしたらいいのか、そもそも自分がゲイとして何を求めているのかもわからないままブログを書き始めて、自分の内面を少しずつ言葉にしていった。セクシャリティと向き合うことで変わっていく自分を前向きに受け止めつつ、未知の世界に足を踏み入れることが怖くもあって、進んだり戻ったりしながら、自分の考えや気持ちを確かめていった。

そんな風にしてブログに書いてきた自分の言葉を、彼になら話しても大丈夫だと思うことができて、あれもこれも話せば話すほど意気投合していった。

彼と出会えたのは偶然だけど、彼と交わした言葉は間違いなく、ブログを通じて僕の中に蓄積されてきたものだった。彼と一緒に過ごすようになったことで、このブログの目的を一つ達成できたと思う。